事業内容

1.地域ケア協力センターの事業内容

 尾北医師会地域ケア協力センターは、平成12年度の介護保険制度導入とともに尾北医師会内に設立されたセンターです。
 地域ケア協力センター設立の社会的背景には、誰もが地域でくらし続けるため、保健・医療・福祉サービスが有機的に連携したシステムの構築が求められたこと、様々な介護ニーズに応えられるよう在宅ケアの基盤づくりを進めることが、緊急の課題となったことがあります。

組織図

 そのため当センターでは、地域ケアに関する調査研究、介護サービスに関する情報提供、関係機関との協力体制の整備、研修活動等を通じて、地域ケアシステムの構築を目指してきました。
 地域ケア協力センターの活動は、設立当初より、

  1. 地域ケアシステム全体会議を活動主体とした医療・保健・福祉サービスの連携に関する事業、サービスの質の向上に関する事業
  2. 調査・研究事業
  3. 尾北地区介護サービス事業者連絡会の組織化
  4. ホームヘルパー2級の養成研修

を実施してきました。
 現在は大きく分けて以下の4つの活動と、尾北地域介護サービス事業者連絡会の運営に分かれ事業を展開しています。

  1. 人材養成・研修活動
  2. 調査・研究活動
  3. 情報集約・発信活動
  4. 地域組織化活動
  5. 尾北地区介護サービス事業者連絡会(会員組織)

2.これまでの経過と現在の活動

1)人材養成・研修活動

 人材養成・研修活動は、地域ケア協力センターの中核的な活動であり、これまで最も充実させてきた活動といえます。まず、地域住民向けの研修として「ホームヘルパー養成研修」があります。
 これは地域のマンパワー養成として平成13年度から6年間の実績(239名修了)があり、今年度も40名の定員で研修を実施(6月27日~10月17日)しています。研修修了後は尾北地域内での就職や地域でのボランティア活動、家族介護に活用されており、修了生アンケートやインタビュー調査からも研修会への満足度も高いことがうかがえました。
 さらに、講師を地域の事業所や行政職員、尾北看護学校の教員に依頼しており、より地域に根付き実践に即した講義・演習を実施することができています。
実習施設についても、尾北管内施設の多くが受入を承諾していただいており、研修生は県内でも非常にめぐまれた環境で学習できているといえます。
 現在は県内でもヘルパー養成研修会の実施を見送る事業者が増える中、質の高い教育を継続的に、より参加しやすい状況で提供しているといえます。
 専門職向けの研修としては、「介護支援専門員(ケアマネジャー)事例検討会」が位置づけられ、現在7年目の事業です。参加者は昨年度まで年々増え続け、約80名にも上りました。介護支援専門員事例検討会の参加対象は、原則居宅介護支援事業所とした上で、行政職員や在宅介護支援センターの職員、地域包括支援センターの職員にも参加を呼びかけ、地域における総合的な支援の方向を検討できるよう心がけグループを編成しています。
 年度末には1年間で検討された事例のうち、利用者及び事業所の了承が得られた事例については『事例集』への掲載をお願いし、年間の提出事例の傾向分析、事例の困難要因の抽出・分析等をあわせて発行しています。
 各年度の『介護支援専門員事例検討会事例集』は、医師会会員(A会員)、事例検討会参加ケアマネジャーのうち希望者、その他管内行政職員に配布しています。平成18年度には介護職員を対象にした事例検討会(事業者連絡会事業)も実施しました。
 このような事例検討会は、参加者にとって《1》事例検討を通して個々人の援助能力を高めるだけでなく、《2》参加者同士の交流の場、《3》情報交換の場にもなっています。
 その他、介護職員に対するフォローアップ研修(事業者連絡会)や、管内の事業所等との共催による地域看護・介護研修会(平成18年度は昭和病院と共催で「ストーマケア研修」を開催)、尾北地区の認知症研究会(エーザイ・ファイザーとの共催)を実施してきました。今後も尾北地域におけるマンパワーの養成、専門職のバックアップ・フォローアップを積極的に行っていきたいと考えています。

2)調査・研究活動

 調査・研究活動は、これまで地域ケアの独自事業として実施・展開してきました。主な目的は、地域の実態や課題を様々な角度から明らかにし、今後の地域ケアの方向性を導き出すことです。
 平成13年度には日本福祉大学福祉社会開発研究所との協働(調査委託)で「3市2町介護サービス利用者調査」を実施。管内+岩倉市の3市2町の比較をふまえ、介護保険給付分析ソフトを活用して分析を行いました。
 平成15年度・16年度には日本福祉大学野口定久研究室との協働で「介護環境エコマップ調査」を江南市、大口町、岩倉市にご協力いただき実現しました。ここでは、大学生が地域の高齢者の方々のお宅に訪問し、その方の生活実態や介護状況をお聞きする調査を行いました。
 調査にご協力いただいた高齢者は江南市35名、大口町24名、岩倉市65名(計124名)にのぼり、その調査結果から、高齢者を地域で住み続けるための条件や、それを支えるための方策を導き出しました。その他、平成15年度には日本福祉大学大学院生とともに扶桑町・大口町にお住まいの障害者や住民(約1000名ずつ)の方々にご協力いただき、実態調査と意識調査(アンケート調査)を実施しました。調査結果からは、両町共通の課題とそれぞれの課題が明確になり、町の障害者福祉計画の調査データで採用される等、今後の障害者福祉行政の方向性の一助にもなりました。
 平成17年度・18年度は、これまで介護支援専門員事例検討会で検討されてきた事例を分析することを中心に活動を展開してきました。平成17年度は困難事例の困難要因の抽出・分析、平成18年度は認知症高齢者に対する事例の分析を行いました。
 提出事例の分析結果は、「平成18年度介護支援専門員事例集」に掲載しています。
平成19年度は、主に独居高齢者に関する事例に着目し、事例の傾向分析、地域で生活していくうえでの問題点などを抽出・分析をする予定です。
また、地域包括支援センター連絡会と協力し、事例分析から尾北地域における問題解決の一助となるよう取り組んでいきたいと考えています。
その他、医療ソーシャルワーカーなどと「医療福祉と地域生活研究会(仮)」を立ち上げ、地域の実態調査に積極的に取り組み、それに基づいた地域ケアの方向性を提示できればと考えています。

3)情報集約・発信活動

 情報集約・発信活動は、広域を範囲とし、中立公平性が担保された地域ケア協力センターの特色を活かした活動であるといえます。
具体的には、年に2回の講演会の開催や行政サービス利用案内の作成、介護サービス事業者名鑑の作成・配布に取り組んできました。
 「講演会」では、より時事的なテーマをとりあげ、リアルタイムな情報提供に努めてきました。
設立当初は地域ケアの方向性を示すようなテーマが多くみられましたが、近年は関連制度の改正や権利擁護、メンタルヘルスをテーマとしてとりあげています。
講演会では、約80~100名の介護サービス事業に従事されている方が参加されています。
平成19年度からは、地域ケア協力センターからの身近な医療・福祉関連の情報発信を目的に、「地域ケア通信」を発行しました。
「地域ケア通信」では、今後も保健・医療・福祉(介護)に関するトピックスをとりあげ、尾北地区の福祉・介護サービス状況をお伝えしていきたいと考えています。
 その他、事業所間のネットワークの構築を目的にした「行政サービス利用案内」と「介護サービス事業者名鑑」の発行がありますが、平成14年度からは事業者連絡会活動に位置づけられ、更に国の進める介護サービスに関する情報開示や個人情報保護等の流れから、現在は事業を休止している状況です。

4)地域組織化活動

 地域組織化活動は、地域ケアを発展させていく上で重要な意味を持ちます。
地域ケアの向上は、単に地域ケア協力センター活動が充実するだけではなく、尾北地域におけるケアの担い手や住民主体の活動が実施されてこそ発展すると考えられます。
そのため、地域ケア協力センターでは、行政の高齢者福祉担当課とともに「行政部会」を構成し会を重ねてまいりました。
今年度からは管内2市2町に岩倉市を加え、「尾北地区の地域包括支援センター連絡会」を立ち上げました。
 地域包括支援センターは、平成18年度の介護保険制度改正に伴い設立されたセンターで、地域における《1》総合相談、《2》ケアマネジメント支援、《3》介護予防マネジメントを役割としています。
ただ設置・運営は各市町に判断が任されているため、管内でも、運営主体が異なり体制もバラバラの状況といえます。
 そこで、尾北地域全体の地域ケアの向上、その為の情報交換の場として地域包括支援センター連絡会を立ち上げました。

5)尾北地区介護サービス事業者連絡会

 尾北地区介護サービス事業者連絡会は、平成14年度に、尾北医師会地域ケア協力センター事業から情報関連事業が発展的に独立して組織された任意の会員(会費2,000円)組織です。
事業者連絡会の目的は、「介護保険制度に関する最新の情報を共有し、指定事業者として良質なサービスの提供を行うとともに、利用者の立場に立った質の高い情報を共有するための方策を、研究・実施することによって、要介護・要援護高齢者が地域で自立した生活を送れるようサービスの向上を目指すこと」です。
 平成18年度末までの加入団体は75団体でしたが、19年度の規約改正に伴い法人単位での加入となった為、会員数は50法人程度になる予定です。
 現在の課題としては、地域ケア協力センター事業との混合が指摘されるため、今後の活動を検討する時期に来ているといえます。そのため19年度は、連絡会内の協議組織である世話人会とともにこれまでの事業評価と今後の運営方針について見直しを行う予定です。
 これまでの事業者連絡会事業は、《1》総会及び総会時研修会の開催、《2》特別養護老人ホーム運営検討委員会の開催(平成14年度~今後はその他の入所施設も含めた会に編成)、《3》介護職員フォローアップ研修の開催(平成15年度~)、《4》介護職員事例検討会の開催(平成18年度~)、《5》尾北地区介護サービス事業者名鑑の作成・配布、3市2町行政サービス利用案内の作成(現在休止中)です。
 今後は、事業者連絡会運営を会員とともにすすめ、介護職員事例検討会の開催など地域で働く介護職員等のフォローアップのための研修を企画、実施していきたいと考えています。
また、尾北地域における介護サービスの実態調査や利用者(入所者)、地域住民の意向調査などを企画、実施を検討しています。

 以上、1~5の活動について、これまでの経過と現在の状況を簡単に説明させていただきました。
しかし、これらの組織は必ずしも固定されたものではなく、誰もが尾北地域で安心して暮らし続けられるような地域づくりを目指し、地域の実情に応じて随時加筆修正していく必要があると考えております。
今後も地域ケアシステムの構築に向け、事務局一同尽力していく所存です。

組織図


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