第1回 在宅医療勉強会を開催しました。

平成26年8月21日(木曜日)の午後8時から9時に、江南厚生病院講堂で開催しました。8月21日在宅医療勉強会1

当日は夜の遅い時間帯にもかかわらず、77名の医療・介護従事者にご参加いただきました。
勉強会のテーマは、「神経難病患者の在宅支援 ~神経難病について、その特徴と支援~」について、池田医院 池田 隆先生にお話していただきました。
難病の定義や特徴、在宅での医療管理などを話され、最後に、在宅医療は主治医一人ではできない、協力医、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、ケアマネジャーなど多くの職種の方とのネットワークが大切であることを強調されました。
参加者からは、神経難病の進行状況がよくわかり、今後の役にたつ、事例を交えての話だったので、在宅医療をイメージしやすかった等の感想が聞かれました。
8月21日在宅医療勉強会2

今後も、平成27年3月までは、毎月第3木曜日午後8時から9時江南厚生病院講堂で行いますので、医療・介護従事者の方の多くの参加をお待ちしています。

2014.8.21 在宅医療勉強会<第1回> まとめ
テーマ 神経難病患者の在宅医療 ~神経難病について、その特徴と支援~
講 師 池田医院 池田 隆先生
知 識 1.難病の定義
<難病対策要綱>
①原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残す恐れが少なくない疾病
②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
<特定疾患治療研究事業>
①診断基準が一応確立し
②かつ難治度、重症度が高く患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発等に困難をきたすおそれのある疾患

2.難病との特徴
・症状の変化が毎日ある。日によって変化が大きい等の特徴に加え、進行性の症状を有する。 
 大きな周期でよくなったり悪化するという難病特有の症状がみられる。
・半数以上で合併症や薬剤による副作用、二次障害がみられ、生活の質が損なわれやすいといえる。

3.神経・筋疾患は16疾病
・手足の運動が障害され、労働に必要な動作や日常生活上の動作である歩行、食事、整容などが十分にできなくなる。
・一般に治療効果が上がらず、時と共に臥床を余儀なくされ、介護負担が増します。
・考えたり感じたりする能力は低下しないことがほとんどであり、患者自身の葛藤や介護が十分でないことでの不満が起きますが、適切な介助や援助によってQOLが向上できる。

4.在宅医療で頻度の高い神経難病

   難病名 特徴 有病率
(10万人)
発症率
(10万人)
A 運動ニューロン病(ALS) 運動神経が障害 8~10人 2人
B パーキンソン病関連疾患
Ⅰ 進行性核上性麻痺
Ⅱ 大脳皮質基底核変性症
Ⅲ パーキンソン病
Ⅰ 振戦、固縮
Ⅱ 動作緩慢
Ⅲ 姿勢反射障害
150人 10~15人
C 脊髄小脳変性症(SCD)
多系統委縮症(MSA)
Ⅰ 線条体黒質変性症
Ⅱ オリーブ橋小脳委縮症
Ⅲ シャイドレーガー症候群
平衡機能障害
運動失調
Ⅰ パーキンソン症候
Ⅱ 開口制限
Ⅲ 自律神経障害
18.6人   

5.池田医院での対応数・看取り数(平成17年~22年)

疾 患 H17 H18 H19 H20 H21 H22 看取り
パーキンソン 13 15 11
SCD/MSA
ALS
ハンチントン
筋疾患
脳血管疾患
認知症
脳性麻痺
呼吸不全
悪性疾患
その他
看取り

6.特別な処置・管理の在宅医療
●経管栄養:胃瘻、中心静脈栄養
●排泄障害:バルン留置カテーテル
●呼吸管理:在宅酸素療法、鼻マスク式補助呼吸、気管切開、人工呼吸器
●褥瘡予防・管理:
●がんの緩和ケア:麻薬管理(麻薬の取り扱い)
●在宅における輸血:適応の決定など

7.在宅医療ネットワークの充実が必須 ~主治医一人ではできない~
●急性期対応、在宅支援対応、基幹病院の存在
●協力医、施門医療
●歯科診療
●訪問看護ステーション
●調剤薬局
●管理栄養士
●ケアマネジャー・地域包括支援センター
●地域医師会
●行政との連携

8.お勧めの参考書
チーム医療を担う医療人共通のテキスト
かなり一般の人にも分かりやすい文字量とイラスト入り。
「病気がみえる VOL.7 脳・神経」MEDIC MEDIA 定価3800円

社会保障制度
コスト
●特定疾患治療研究事業
56疾患が対象。難病患者の医療費の助成制度。治療費の自己負担分の一部を国と都道府県が公費負担として助成する。認定されると「特定疾患医療受給者証」が公布される。住所地を管轄する保健所が窓口。
2014年現在、指定する難病数を拡大する(300程度)予定で、まだ詳細は未決定。
●難病患者等居宅生活支援事業
難病患者の在宅支援サービス。窓口は市町の福祉課。他制度の活用ができない難病患者を対象にしている。
事例紹介 53歳 多系統萎縮症(MSA)
平成19年にパーキンソン症状で発症。1~2ヵ月で小脳症状も出現。徐々に四肢の運動障害進行。
平成24年4月に通院困難となり、池田医院へ紹介。すでに経口摂取障害があり、尿路感染症も併発。
このため胃瘻造設。留置カテーテル管理を開始する。在宅医療開始。
平成24年8月に両声帯麻痺にて気管切開施行。以後、自発呼吸下寝たきり状態。こうした事例を通して感じていることは、進行性疾患の為、なるべく早く胃瘻を造ってほしい。
病気自体の管理が良ければ、在宅で管理できる。
質疑応答 神経・筋疾患の特徴のこと、リハビリテーションのポイント、治療自体に向き合えないケースの場合の対応など複数のご質問がありました。
備 考
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