第3回 在宅医療の勉強会を開催しました

第3回在宅医療勉強会平成26年10月16日(木曜日)の午後8時から9時に、江南厚生病院講堂で開催しました。
当日は67名の医療・介護従事者にご参加いただきました。
勉強会のテーマは、「糖尿病の患者の理解 インスリン自己注射」と題して、江南厚生病院 訪問看護認定看護師 伊藤裕基子さんに講師としてお話いただきました。
伊藤看護師からは、糖尿病が引き起こす合併症や、患者が在宅等でインスリン自己注射をする際の注意点について事例を交えながら分かりやすく説明していただきました。勉強会の後半では、質疑応答の時間を設け、参加している専門職がそれぞれの立場から糖尿病の患者にどのように関わっているか活発な意見交流が行われました。
  
  
  

第3回在宅医療勉強会
  
  
  参加者からは、「インスリン注射の方法、薬剤の種類について学ぶことが出来ました」、「訪問看護のかかわりが大切だと改めて感じた」、「色々な職種の人がそれぞれの立場で話をしてくれたことが大変役立った」といった意見を頂きました。

2014.10.16在宅医療勉強会<第3回> まとめ
テーマ 糖尿病の患者の理解 ~インスリン自己注射~
講 師 江南厚生病院 訪問看護認定看護師 伊藤裕基子 看護師
知 識 1)糖尿病患の患者の理解
 ■糖尿病患者は年々増えている
  新たに透析導入する患者 年間 約16000人
  失明する患者         約 4000人
  足切断の患者         約 3000人
 ■糖尿病の基礎知識
   血糖中の糖分(ブドウ糖)が高い状態(高血糖)が続く
   すい臓から出るインスリン(血糖を下げる働きの持つホルモン)の分泌不足によって生じる
   慢性高血糖を主とする代謝症候群
   正常血糖値:110mg/dlくらいまで
 ■血糖コントロール目標値
   2013年日本糖尿病学会学術集会において、合併症予防の為の血糖コントロール目標は、以下のとおりである。
    HbA1c(グリコエーワンシー)が 7.0%未満を目指すことが良い
     *採血時点から1~2ヶ月前の血糖の平均を表す値
     *国際標準化に伴いNGSP値で表記
   
   危険因子のコントロール目標
    ①血圧 130/80mmHg未満
    ②脂質 LDLコレステロール120mg/dl未満
        HDLコレステロール40mg/dl以上
        中性脂肪150未満(空腹時)
    ③喫煙
 ■糖尿病のタイプ
   ○ 1型:小児、若年性に多い
   ○ 2型:成人に多い
 ■低血糖症状
  「ひ・ど・い・て・は・ら」という覚え方がある
  「ひ」=冷や汗  「ど」=動悸 「い」=イライラ 「て」=手の震え
  「はら」=腹痛
 ■高血糖症状
   200台 症状なし
   300台 のどが渇く、多飲、多尿
   400台 やせてくる
   600台 だるくなる
   800台 動けなくなる
   1000台 亡くなる人もいる

2)糖尿病の合併症
 ■三大合併症:「し・め・じ」 
         「し」=神経障害 「め」=網膜症 「じ」=腎症
   動脈硬化症:進行する
   急性合併症:「糖尿病性こん睡」「感染症」
   歯周病
 ■大血管障害:「え・の・き」
         「え」=足壊疽 「の」=脳血管 「き」=狭心症、心筋梗塞

3)糖尿病の三大療法
 ■食事療法:基礎職
 ■運動療法:ウオーキング、ジョギング、水泳など
 ■薬物療法:①経口血糖降下薬
       ②インスリン自己注射 

4)インスリン自己注射
 ■絶対的適応:
   インスリン療法が無ければ生命・予後に重大な危機を招くような場合
     ①1型糖尿病
     ②糖尿病ケトアシドーシス性こん睡および高浸透圧性非ケトン性昏睡
     ③妊娠糖尿病
 ■相対的適応:
     ①2型糖尿病で、食事療法、運動療法、経口薬によっても血糖
   コントロールが十分でない時
     ②肝疾患、尽機能不全を合併し、経口薬が禁忌の時
     ③他疾患治療の為の副腎皮質ステロイド薬投与中で、インスリン以外では血糖コントロールが不十分なとき
 ■インスリン注射時の注意点がある
   注射の打ち方
   低血糖症状とその対処方法
   シックデイ:インスリン治療中に感染症による発熱、下痢、嘔吐、食欲不振または外傷や手術等の
   身体的ストレス等で食事摂取が出来なくなった状態    *対応方法がある

5)その他
 ■糖尿病治療のガイドラインがある
 ■インスリン注射が困難になった時は、内服薬に切り替えるなど、主治医と血糖
   コントロール方法を再検討する
 ■注射針などの医療器具の処理方法がある
   医療機関より患者さんに説明されている
   (コーヒーの空き瓶などふたのついた入れ物に入れて、病院へ持参して破棄するなど)
 ■主治医の病院に不明点は確認する事

コスト 医療保険、高額療養費制度
事例紹介 Aさん 70代男性  介護保険:要支援2
 ■疾患:2型糖尿病  ■家族:妻と二人暮らし 息子夫妻が近くにいる
 インスリン導入目的で入院。
 インスリン自己注射の指導を受けたが、退院後の管理に妻も不安なる為、介護保険のサービス導入を検討した。
 病院の相談室にて介入し、退院前に以下のサービスを導入する事になった。
 退院前カンファレンスを病院で実施し、退院日を決めて、退院。
 外来でのフォローをしている。
■サービス:
 ①訪問看護(インスリンの注射の主義や内服管理がうまくいっているかどうか確認、助言、サポート)
 ②訪問介護(ヘルパー:家事支援)
 ③ケアマネジャーによるモニタリング
質疑応答 *低血糖発作の症状とその対処方法
  →「知識」のところ参照
*通所サービス利用時の食事量が十分でない時のインスリンの単位数は?
  →あらかじめ、主治医に支持を確認しておくことが良い
   主治医とサービス事業者との連携の意味
*低血糖症状、高血糖症状に対するサービス利用時の対応は?  
  →ご本人の状態で、おこりうる症状を主治医とあらかじめ確認しておくと
   現場では安心がある。
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