第4回 在宅医療の勉強会を開催しました

No4在宅医療の勉強会
第4回 在宅医療の勉強会を開催しました。

平成26年11月20日(木曜日)の午後8時から9時に、江南厚生病院講堂で開催しました。
当日は79名の医療・介護従事者にご参加いただきました。
勉強会のテーマは、「在宅での栄養管理 胃ろう、点滴での管理の実際」と題して、ながお在宅クリニック長尾強志先生にお話いただきました。
長尾先生からは、患者さんの消化管の状態に応じた栄養の投与方法や輸液の基礎知識や管理方法、在宅医療に係るコスト等について、事例を通して具体にお話いただきました。
  
  
NO4在宅医療の勉強会2
  
  
参加者からは、「今まで点滴のことを医師に聞くことができなかったが、細かい内容が聞けてよかった」、「終末期の点滴の意味について再認識できた」といった意見を頂きました。

2014.11.20 在宅医療勉強会<第4回> まとめ
テーマ 在宅での栄養管理 ~胃ろう、点滴での管理の実際~
講 師 ながお在宅クリニック  長尾 強志 先生
知 識 1.栄養の投与方法
 消化管が安全に使用できるかどうか」の確認の上で
  ①経腸栄養→経鼻栄養、胃ろう(PEG)・腸ろう
  ②静脈栄養→抹消静脈栄養、中心静脈栄養

2.輸液の基礎
 輸液の考え方として
 ・必要な栄養補給を行いつつ(カロリー、各種栄養)
 ・ある程度の安全領域を設定した輸液開始(輸液量、電解質)
 ・不安な部分はモニターで補う(脈拍、尿量、血液検査、呼吸状態、レントゲン)
 体液と水分量
 ・体重の60%は水
 ・体液の浸透圧=285mOsm/l
 ・生理食塩水の浸透圧=308mOsm/l
 体液と浸透圧
 ・品質浸透圧:おもに動脈血側で水分移動に関係
 ・膠質浸透圧:おもに静脈血側での水分移動に関係

3.在宅医療の適応は?
 ・通院困難な方全員が対象になる

4.在宅生活を支えるために
 ・入院中の経腸栄養剤:給食費の範囲で濃厚流動食を使い、大量購入。大幅な値引きあり
 ・在宅での経腸栄養剤:栄養剤だけで月に3~4万円

消化管栄養剤 半消化管栄養剤
液 状 ツインライン ラコール
エンシュア・リキッド
エンシュアH
粉末状 エレンタール
エレンタールP
へバンED
アミノレバンEN

5.半固形栄養剤 短時間注入法
 ・液体と固形の両方の属性を持つ物質で、液状より固形に近い反流動体と定義され、粘性があり自由に変形することを特徴とする。
 ・栄養剤のほかにも、食事をミキサー化するミキサー食がある
 ・胃ろうからの半固形化栄養剤短時間注入法のメリット
   短時間で一度に栄養を注入できるため介護時間が少なくなる。適応患者かどうか確認必要。

6.終末期の抹消点滴の意味
 ・患者家族とスタッフの心理的負担を軽減
   点滴ボトルの下がった風景が、家族と医療・介護スタッフの情緒をケア
 ・医学的には、苦痛の少ない最後のためには点滴の差し控えは緩和ケアにもなる。
  自然死の実態=餓死ではない
   飢餓状態 →脳内にモルヒネ用物質が分泌される
   脱  水 →意識レベルが下がる
   酸欠状態 →脳内にモルヒネ用物質が分泌される
   炭酸ガス貯留 →麻酔作用あり
 「死に際は、なんらかの医療処置も行わなければ、夢うつつの気持ちのいい、穏やかな状態になるということです。これが、自然のしくみです。私たちの先祖はみんなこうして無事に死んでいったのです」
                            「大往生したければ医療と関わるな」より

社会保障制度
コスト
<在宅医療でのコスト>

医療費 1割負担 3割負担
基本料金 6,000円 18,000円
臨時往診 1,400円 4,200円
夜間緊急往診 2,200円 6,600円
管理料 +α +α
上限金額 12,000円 44,000円

<介護保険での費用>

介護認定 費用負担
要支援1 4970円
要支援2 10400円
要介護1 16580円
要介護2 19480円
要介護3 26750円
要介護4 30600円
要介護5 35830円

<経腸栄養の管理料>

栄養剤 成分栄養剤
在宅療養指導管理料 在宅寝たきり患者
処置指導管理料
1050点=10500円/月
在宅成分栄養
指導管理料
2500点=25000円/月
注入ポンプ 算定不可 注入ポンプ加算
1250点/月
ボトル・チューブ
その他消耗品
算定不可

栄養セット加算
2000点/月
事例紹介 症例1> 患 者:83才 女性(中肉中背、体重50kg) 
     既往歴:糖尿病、高血圧、心不全、脳梗塞
     主 訴:安静時呼吸苦難
     現病歴:昨日嘔吐してから呼吸苦が出現し、食事摂取が困難となった。症状が改善しないため受診した
     経 過:血液検査の結果「誤嚥性肺炎」の診断で入院。
         嚥下機能が破たんしている状態
         輸液としては、特に高齢者にはタンパク質をできるだけ投与する
         必要カロリー:1000~1500kcal  

症例2> 患 者:76才 女性(中肉中背、体重50kg)
     既往歴:糖尿病、腎不全(Crea3.4)心不全(BNP2400)
     主 訴:全身倦怠感
     経 過:腎不全が誘因と考えられる心不全増悪の診断で入院。
         入院後採血検査でK6.8と高値。高度の心不全により腸管浮腫をきたし、
         経口摂取困難なためCVルート挿入。
         1000cal/総水分量1000ml以内/日 K free  Na68Eq/日とし、
         糖尿病を考慮した高カロリー輸液を作りたい

質疑応答
備 考
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