第5回 在宅医療勉強会を開催しました

No5在宅医療の勉強会
第5回 在宅医療の勉強会を開催しました。

平成27年1月15日(木曜日)の午後8時から9時に、江南厚生病院講堂で開催しました。
当日は55名の医療・介護従事者にご参加いただきました。
勉強会のテーマは、「在宅での呼吸管理 在宅酸素、人工呼吸器」と題して、池田医院院長の池田隆先生にお話いただきました。
池田先生からは、在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法の意義や対象、具体的な導入の流れについて詳しくお話しいただきました。

No5在宅医療の勉強会2

参加者からは、「実際関わっている事例がある。参考になった。」、「在宅でのイメージを共有することができた。」「基本の知識が勉強不足だったので、この機会に少しずつ学んでいこうと思いました。」といった意見を頂きました。

2015.1.15在宅医療勉強会<第5回> まとめ
テーマ 在宅での呼吸管理  ~在宅酸素、人工呼吸器~
講 師 池田医院 池田 隆先生
知 識 1.在宅酸素療法について(基礎編)
<目 的>
 在宅療養・社会復帰を可能とする
<意 義>
 ①療養を行いつつ社会活動も持続する
 ②療養中も趣味や生活習慣を持続する
 ③住み慣れた環境で療養する
<必要性>
 血液中の酸素が不足するために高濃度の酸素を吸う不必要がある
 酸素が不足したままの状態が長引くと肺以外の臓器に負担がかかり高血圧、心不全、
 狭心症、急性心筋梗塞などの合併症を引き起こす危険がある
<効 果>
 ①生存率の向上
 ②日常生活動作(ADL)の改善
 ③入院回数の減少
 ④肺性心の予防と改善
 ⑤生活の質(QOL)の向上
<対象患者数>
 患者数19,879人、COPD45%、肺結核後遺症12%、肺がん6%、肺線維症等18%
<対象疾患>
 高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症、慢性心不全及びチアノーゼ型先天性心疾患
 高度慢性呼吸不全例のうち、在宅酸素療法導入時に動脈血酸素分圧55mmHg以下の者
 及び動脈血酸素分圧66mmHg以下
<導入の流れ>
診察→処方・デモ→機器の設置→定期的受診・指導
<外来時の指導項目>
 ・在宅酸素療法実施上の問題点の有無
 ・ADL低下の有無
 ・症状変化の有無確認(在宅日誌/息切れ・むくみ等)
 ・携帯酸素使用方法の確認、指導
 ・携帯酸素使用方法の確認、指導
 ・感染予防、リハビリの継続確認
 ・体調不良、増悪時のアクションプランの確認
 ・緊急時(機器の故障、災害含む)の対応方法の確認
<原 理>
 大気の21%である酸素濃度を、約78%を占める窒素を取り除き濃縮することで
 酸素濃度を90%程度に高めて供給
<お手入れ>
 ・毎日:空気取入口フィルタの掃除
 ・週に1度:空気取入口フィルタの水洗い
 *火気取扱いに注意が必要

2.在宅人工呼吸療法
<目 的>
 患者の呼吸に対して人工的に補助、管理すること
<TPPVとNPPVの違い>
【TPPV:気切下】
 ・挿管、気切が必要(侵襲的)
 ・感染のリスクがある
 ・会話が困難である
 ・食事も困難(胃瘻など)
 ・吸引が容易
 ・換気量の補償が可能
【NPPV:鼻マスク】
 ・マスクによる潰瘍の可能性がある
 ・感染のリスクはTPPVに比べて低い
 ・会話は比較的容易である
 ・食事も比較的容易に摂れる
 ・吸引が困難
 ・換気量の補償が難しい
<対象者>
 ①呼吸器疾患:肺結核症・慢性気管支炎・肺気腫・肺繊維症等
 ②神経・筋疾患:進行性筋ジストロフィー・筋萎縮性側索硬化症・脊髄性進行性筋萎縮・ポリオ後遺症・脳神経障害後遺症等
 ③その他の疾患・障害:胸郭運動障害・胸郭形成手術後・先天奇形・気管狭窄等
<対象患者数>
 ・TPPV478人COPDが72%占める
 ・NPPV2,753人COPDが26%、肺結核後遺症23%占める
<人工呼吸器による換気補助の種類>
 ・IPPV:侵襲的陽圧換気、気管挿管・気管切開
 ・NPPV:非侵襲的陽圧換気、鼻・口鼻マスク
<気管カニューレ>
 ・呼吸機能の障害により、十分な肺喚気ができない患者の気道確保、気道分泌物の除去、気管および気管切開孔の狭窄防止や保持、発声・呼吸訓練を行う際に使用
 ①補助呼吸
 ②呼吸管理

3.在宅移行の準備と取り巻く環境
条件1:患者様とご家族の意思
 ■最も重要なのは、患者とその家族の在宅移行への強い希望・要望があること
条件2:介護に必要な体制と手技等
 ■在宅療養時の介護者が(家族を含む)最低、2名以上確保できる事(24時間)
 ■在宅時の通常の診療や、緊急時の対応体制が十分確保できる事
 ■人工呼吸器や関連する医療機器の使用上の知識・技術が理解・取得できる事
<在宅移行までに必要な手技>
 ・人工呼吸器の取り扱いとトラブルの対処法
 ・蘇生バックの使用方法
 ・吸引器の取扱い吸引手技の方法
 ・呼吸訓練や体位ドレナージ・排痰方法
 ・食事(栄養摂取)の方法
 ・気道ケア・オーラルケア等
 ・入浴・洗髪・排便・排尿
 ・移動する時の方法
 ・緊急時の連絡方法
<在宅管理に必要なもの>
 ・外部バッテリー・充電器
 ・蘇生バック
 ・パルスオキシメーター
 ・吸引器(卓上型)・吸引器(ポータブル)
 ・吸引手技用品(カテーテル・消毒綿など)
 ・気道ケア用品(気管切開カニューレ・ガーゼ)
 ・体温計・血圧計・聴診器
 ・介護ベッド・車椅子
 ・意思伝達装置 
<在宅療養を取り巻く環境>
 在宅人工呼吸療法のネットワークが重要
 ・病院(主治医)
 ・診療所(地域主治医)
 ・訪問看護ステーション
 ・人工呼吸器業者
 ・調剤薬局
 ・ケアマネジャー・地域包括支援センター
 ・保健所
 ・行政

コスト <在宅酸素療法>
在宅酸素療法

<在宅人工呼吸療法>
 マスク式     6480点
 気管切開式    7480点

質疑応答 COPDの呼吸リハビリテーションのポイントや自己流で呼吸法が確立されているケースの対応、排痰について、パルスオキシメーターの購入費用など複数の質問がありました。
備 考
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